| 学校保健フォーラム1999-5 楽しく学べる「健康ストックカード」
今、教材の研究・開発はどのように進めたらよいか
植田誠治(筑波大学教育学部助教授)
保健を取り巻く諸条件が大きく動き出しています。養護教諭が保健授業を担任する教諭等を兼務できるという趣旨の教員免許法の改正,小学校中学年からの保健学習の導入,総合的学習の導入などです。このような諸条件の変イヒの背景には,子どもたちの健康課題の深刻化があります。その事実を真撃に受けとめつつ,―つ―つの保健授業を充実させていくことが,今あらためて求められています。
ただし,気をつけなければならないことがあります。少しデリケートな表現ですが,「保健は健康や命に関することだから,しっかり教えねばならない,教え込まねばならない」と思いすぎないことです。強く思いすぎると,「―しなさい」「―しましょう」という語尾に代表されるような,いわゆるしつけ的な指導に陥ってしまうことも少なくないのです。「これをこそ教える」という教育内容を吟味できたなら,「しっかり教えねばならない,教え込まねばならない」と強く思うエネルギーを徹底して,教材研究,教材開発に方向転換するとよいでしょう。
子どもたちは,からだのことやこころのこと,健康に関することを知りたがっています。興味を持っています。そして,いろいろな素朴な疑問を持っています。それらに対して,ていねいに応えていきたいものです。素朴な疑問は,追究すればするほど,また新たな疑問が湧き出てきます。「こうではないか」といった予想もたてながら考えるようになります。応えていくと書きましたが,むしろ,子どもも教師も―体となって追究していくと言ったほうがよいかもしれません。それは,健康について学ぶ楽しさを,子どもも教師も共に味わっていくことでもあります。そのような過程を通して得た,子どもたちにとって納得がいく知識や技術こそが,生涯を通じて真の「生きるカ」に転じていくように思います。
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