学校保健フォーラム1999-2「学校保健の立場から考える環境教育とは? 」

子どもに環境を守る行動をとらせるには
−実践的な環境教育を目指して−

永瀬久光(岐阜薬科大学教授)

環境問題に対し,われわれ大人は,意識と知識だけは持つようになったが,なかなか行動が伴わない。科学技術に頼った快適で便利な生活を求めてきたが,同時に環境を悪化させてきたことに気づかされた.これを元の状態に戻すには悪化に要した何倍もの年月が必要で,今の子どもたちの世代だけではとうてい元に戻らないであろう。急がなければならない。それには行動できる環境教育が必要である.そのためには,親や先生でもある大人が,同じ様に行動できなくてはならない。環境を守るための行動は,モラル,道徳そのものであることが多い。その最もわかりやすい例が,ごみ問題である。

最近,自治体でごみのポイ捨て禁止条例を作るのが再びブームのようである。このことは,今に始まったわけではなく,すでに多くの自治体が作っている.しかし効果ははっきりしない。ただ,一向に改善されないごみのポイ捨てに,何か手を打たなければとの思いが条例作りとなっている。低くなっているモラルを規則,罰則で補うしかないのだろうか親や先生が見せるマナーが子どもたちの手本になっていることを忘れてはならない。     

ほとんどの学校でPTAを中心に待っている資源分別回収も回収した新聞等が収入源になっていたころは,皆が一生懸命やっていたのに,お金にならなくなると,止めようとの声が上がる。お金に関係なく行動する姿を子どもたちに示そう。環境問題では,ボランティア活動が重要となるが,そんな親の姿を見て子どもたちにボランティア精神が芽生え,育つものと思う。

 ごみのリサイクルは再生品を使用して完結する。再生品は割高でなかなか使用されない。ドイツの学校では児童生徒の文房具等に再生品を買うように指示しているようであり,日本でも実行したらいいと思うが,まず学校自体,先生自らが積極的に再生品使用の姿勢を示した上で行う必要がある.

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