学校保健フォーラム2000-2 生活習慣病とどう取り組んだらよいか

生活習慣病と養護教諭の健康教育

鎌田尚子女子栄養大学教授

 公衆衛生審議会生活習慣病対策委員会は,生活習慣病対策の推進にあたり「国民に正しい情報を提示し,社会的支援を用意した上で,その取り組みについては個々の状況に応じて国民が選択する」という考え方を示した。市場に氾濫する,情報,科学的に証明のない疑わし情報を区別し,発育期の子どもに有用かつ有効な,情報を提示し生活習慣の基礎を作ること,そのため状況に応じて選択する能カを養うことが学校健康教育の使命である。

養護教諭は,心身の不調を訴えて来室する子どもたちに,救急処置をした上で,相談や保健指導を行っており,その指導内容は,睡眠,食事,遊びや運動,生活の仕方が中心である。その子の発達と能カに合わせて出来ることから家族の理解と支援をとりつけて,よりよい保健行動の実践ができるよぅに環境作りへも働きかけている。

 この個に働きかける保健指導こそが,健康教育の原点である。大事にしたい養護教諭の職務である。
これまでの指導は,科学的根拠に乏しく経験的な知による手探りの指導であったが,最近,生活習慣病に結ぴつくりスク要因が明らかにされてきた。いまや生活習慣病予防という目的の下に,根拠に基づいた保健指導(EvidenceBasedHealthcare&Healtheducation)の開発が期待され,推進できる時代となった。

 しかし,パ―ツに分かれたそれぞれのリスク要因はわかっていても,習慣化されたその人のリスク行動のパ―ツを置き換えたり,パーツを修正することは難しい。「知識としてわかっているけど,やめられない」という壁がある。この壁は,すべての人々に言える。
 
 その壁を乗り越えるのは,子どもが「自らの健康の見方,考え方」の中核にある価値意識に気づき,QOLを向上したぃとぃぅ自発的ヤル気と自立心を育てることにある。親の保護と育児下にある9歳位までと,自我確立の発達段階別に指導法は多少異なるが,基本は,子どもが健康な生活を実践するとぃぅ主体性を育てることにある。
 

 

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