学校保健フォーラム1999-9不登校は9月に起きる

不登校の子どもにどう対処するか

東山絋久(京都大学大学院教授)

 不登校は症状であって,単―の疾病ではありません。「おなかが痛い」というのと同じで,「腹痛」は症状だから,病気の重さ,原因,対処の仕方は単―ではないのです。だから,不登校への対処の仕方はいろいろありますし,状態や症状の出し方によって,対処の仕方は変わります。それに,不登校は「腹痛」などの身体症状と異なって,心理的な問題です。心理的な問題は,不登校を起こしている当人だけでなく,家族,学校,地域社会や国レぺル・国際レぺルにまで関係しています。だから,不登校がここまで増加した原因は,それだけ複雑なのです。今,テレピの公共広告機構のコマーシャルに,「子どもを父親・母親・先生がお互いにたらい回しして,子どもから逃げている」がありますが,自分以外の人に原因や責任を押しっけて,子どもから逃げていては,この問題の解決はありません。関係者―同が協力しあって,子どもを理解しようとする態度が,不登校の子どもに対処する大切な原則の―つです。子どもが不登校をしている時に,もしあなたが誰かを非難していたら,それはあなたにとっても子どもにとっても不幸なのです。

子どもが不登校になると,その原因はなにかと,原因を探そうとします。心理的な問題の原因は複雑で,其の原因などとうてい求められないのです。その上たとえ原因が見つかったとしても,それに対処することは,自分の人格や生活や態度を変えなければなりません。あれだけ害があると言われている「喫煙」だってなかなかやめられないのが人問なのです。不登校などの心理的問題は,原因を探すのではなく,意味を考えることが大切です。子どもが不登枚になった意味を考えるのです。子どもが不登校を起こしたことは,子どもとの関係を考える機会になっているはずです。不登校は関係者の人問関係を改善する「意味」が隠れているはずです。それを見つけて,意味を感じていただきたいのです。

より具体的なことをお知りになりたい読者,拙著「母親と教師がなおす登校拒否」(創元社)をお読みいただければ幸いです。

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