学校保健フォーラム1998-6 「子どもの自覚をうながす歯の健康教育」

子どもの口・歯の健康教育

赤坂守人(日本大学歯学部小児歯科学教室教授)

 従来,学校歯科健診では,むし歯,歯肉炎などの疾患を発見し, 治療勧告を行うという疾病志向の健診でした。  また,児童・生徒の保健指導,健康教育の内容は,これらの疾病 を予防することを目的とした歯磨き指導が行われてきました。しか し,新しいヘルスプロモーションの理念に基づいた子どもの自覚を めざす今日の学校保健では,この過去の姿勢は変えられることが必要です。

 平成7年の改正に際し,口・歯の健診では,CO,GOが導入されま した。COはむし歯の前段階であって,子どもたちの日常生活で口腔 衛生の管理が不十分であるとむし歯の段階に進行し,管理が十分で あれば健全状態に戻るもので,歯肉炎に対するGOも同様です。

 すなわち,CO,GOは自己管理が指標になります。そこで,CO, GOが検出された要観察の児童・生徒に対し,健診後の事後措置が重 要になってきます。学校関係者およぴ学校歯科医によって,家庭と 連携しながら日常生活での口腔の衝生管理についての具体的な健康 教育や経過観察のための再健診が必要になります。

 また,児童・生徒は,日常生活でより積極的で自覚した保健行動, たとえばフッ素入り歯磨き剤を選択する等が要求されてきます。

 高齢者にとって,食べ物を豊かにおいしく食べることなど,口の 働きは重要です。とくに食べ物を咀嚼し嚥下することは,全身およぴ 口腔の健康に寄与することが知られています。このような食生活 は,口・歯が健康であることは勿論のこと,子どもの時期からの食 習慣,食べ方により決定づけられます。  現代の子どもたちは,咀嚼することが少なくなり,食べ物を飲み 物で流し込むことが多くみられます。食べ物を正しく食べること は,栄養摂取に限らず,さまざまな問題と関連します。

 そこで今後,口・歯の健康教育には食べ物の咀嚼,食べ方につい ての指導を主軸にした展開が必要です。

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