■□ 子どもに“やる気”を育てる支援活動 □■
九州女子短期大学専攻科教授 鈴木美智子

 最近、気になっていることがある。子どもの学力低下の原因探しが始まっていることである。老婆心ながら親と子、担任と生徒の関係が大丈夫かと気になるのである。
 昨夏から秋に、筆者は北九州市児童館で思春期セミナーを担当する機会を得た。事前にアンケートをとっていただいた。子どもが親や担任から言われていやなこととして「早く○○をしなさい」「やればできるのに」をあげ、親は子どもが「返事をしない」「好きなことしかやらない」をあげていた。そこで「親が変わる、子が変わるワークショップ(WS)をしませんか」と呼びかけた。
 この趣旨に関心を寄せた近隣の学校から、保護者が集まってくれた。プログラムの1つに、ペアを組みシャワーを浴びるようにほめあうライブWSをした。班別報告で「模擬体験とわかっているのに、大人でも、ほめられるとうれしいものだ」という感想が出された。「自分は母親としてオーケーらしい」という自己肯定感や自己効力感を体験できた。シェアリングでは、「子どもにやる気が育つのはやってみて、ほめてもらって身につくのではなかろうか」の気づきを共有したのである。このような身体感覚に根ざしイキイキと実世界を感じとるほめられ体験が、今、子どもにとくに必要だと感じあえた。思考力や判断力の評価はできない部分ではあるが、工夫したい。
 教育上の問題を単純化して悪者探しをせず、子どもを取り巻く親や教師が、子どもの成長発達に影響を及ぼす「ほめて育てる」添え木の役割をしたいものである。ただし、何でもかんでもほめるのではない。子どもの中にある見過ごしてしまっている、ほめるべき事実に基づいた「行動」「思考」「判断力」などを発見しほめるのである。そうしたら子どもは自然に自らの目標を立て、動き出すのではなかろうか。
 好きなことに熱中できることは長所、成長や発達のリソースなのである。
 
 




 
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