■□ かぜ予防の意識を高めるために □■
久留米大学名誉教授 加地正郎
2003年9月早くもアイルランドからインフルエンザA香港型の学校流行が報告されました。いよいよインフルエンザのシーズンです。毎年くり返される「かぜ予防の心がけ」ですが、その効果をあげるためにはどうしたらよいでしょうか。間単に個条書きにします。
1. かぜという病気を理解する
かぜは単一の病気ではなく、いろいろのウイルスによって起こる呼吸器感染症です。ウイルスは違っても、くしゃみ、鼻みず、のどの痛み、せきなどの呼吸器症状と熱や頭痛、全身のだるい感じなどの全身症状がある程度まで共通しているので、一括して「かぜ」と呼ばれますが、正確には「かぜ症候群」です。その中でとくに重要なのがインフルエンザウイルスによるインフルエンザとライノウイルスによる普通感冒(鼻かぜ)です。
2. 普通感冒とインフルエンザの違いを知る
インフルエンザは急激に高い熱で発病、頭痛、腰痛、関節痛、筋肉痛、全身のだるい感じなどが強いのが特徴。一方、普通感冒の発病は緩徐、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなど急性鼻炎の症状が主で、熱や全身症状は軽い。
3. 感染経路を把握したうえで対策を考える
かぜはいずれも呼吸器の感染ですが、インフルエンザウイルスは飛沫感染とくに飛沫核感染(空気感染)によって、普通感冒は鼻みずの中のライノウイルスが手指を介して直接、間接に周囲の人々にうつってゆく接触感染で広がります。
したがって、普通感冒では手洗いの励行、インフルエンザではワクチンが最も重要です。
うがい、マスクはこうしたウイルスの侵入を食い止めるというより、のどの粘膜を保護し、ウイルスに対する抵抗力を低下させないためのものです。
4. 一般的な心がけも強調
過労、睡眠不足をさけ、栄養を十分にとる。かぜの誘因となる寒さに対して乾布まさつ、冷水まさつで皮ふを鍛錬しておく。