■□ 子どもの目の健康を守る □■
井上治郎 医療法人済安堂 井上眼科病院理事長 医学博士

 私は、東京都千代田区という都心部の、小学校の校医をしています。毎年の定期健康診断では、一人ひとりにできるだけ声をかけます。とくに眼鏡をかけている児童に対して、その眼鏡を見せてもらい、眼鏡のかけ方、毎朝レンズをきれいにふくなどを指導します。学校保健委員会には必ず出席して、保護者会の代表の方々に、目の大切さなどの話をしています。
 養護教諭に、毎年視力検査結果報告書をできるだけ多く集めてもらい、夏休みに私の方に提出してもらいます。その報告書をみて、2学期の初めに養護教諭に指示します。秋に視力再検査をする人、その結果ふたたび眼科医に行かせる人、あるいは矯正視力不良なので、教室での席を前にする人を決めます。近視で裸眼視力が悪いからといって席を考慮することはしません。また、目に関する学校での出来事は、何でも学校医に連絡するようにしてもらいます。
 私以上に学校保健に熱心で、もっときめ細かい活動をされている眼科学校医は大勢おります。しかし、1年に1回学校に行って、短時間で大勢の児童・生徒をみて、あとはまったく関心がない校医もいるように聞いています。
 学校で児童・生徒の目を守る、視力を維持するように努めるのは、眼科学校医と養護教諭です。互いが緊密に連絡をとって、話し合っていくことです。養護教諭の方々も、自分たちだけで判断して事を運ばないで、学校医を上手に活用してください。連絡をとり、熱心に働きかけると、学校医も次第にわかってくれます。
 さらに、担任の先生とも連絡をとって、いつも目の赤い子、黒板を見にくそうに目を細めて見る子などを発見し、対処してください。視力が不十分だと黒板の字がはっきり見えず、成績が落ちることがあります。また児童は、目が見にくい、視力が落ちたということを、保護者に訴えることはないといってよいでしょう。おかしいといって連れて来られたときには、もうほとんど失明状態だったということもあります。注意深い目の観察をお願いいたします。
 
 




 
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