■□ 泣いて笑ってそれでいいんだよ □■
子ども教育家庭フォーラム代表 富田富士也

ねえ、ちょっと難しい表現をしますが
ゆるしてくださいね

友だちや先生や、家族をも含めて、人に対する関心を頭で整理しすぎていることってありませんか
その結果、自分の心にわき起こる自然な感情を押し殺してしまい、人の心に冷めているってことはありませんか

私の相談室で、こんな悩みを語ってくれた女子中学生がいました

「私は毎朝、鏡に向かって笑ったり、怒ったり、泣いたり、悲しんだりする表情をしているんです。おかしいでしょう。へんですよね」

彼女は喜怒哀楽の感情を自然に、とにかく自然に出せないというのです

「私は、人間なら誰もがもっている自然な感情を素直に出せないので、いつも考え込んでしまうのです」
彼女は涙ぐんで言いました

友だちが彼女に悪意はないようですが、こう言うそうです

「ねえ、私の話を聞いているの。聞いているんだったら、どうして他の友だちのように怒ってくれないの。ねえ、ちょっと自分はズレていると思わないの」

彼女はあたっているだけにつらいのです
「どうしていつも、そんなにいばった顔をしているの」

彼女は、けっしていばってはいません
考え込んでいるのです
そのこわばった表情が、難しい顔をしているように、友だちにはみえるのでしょうね

そして、友だちのそんな一言にとても寂しさを感じ、孤立しているのです
だから今朝も、鏡に向かって喜怒哀楽の表情を必死に"練習"しているのです

彼女の話に、私も一緒につらくなりました
切ないですね
人の心は聞いてみないとわかりませんね
だから勝手に決めつけてはいけませんね

彼女は将来、女優か女性落語家になりたいようです
演技や話し方を"練習"していたら、いつかは自分の感情を自然に出せる日がくるかもしれないと思っているからです

ふっとわき起こった感情を頭でストップさせないで、ひとまず、とりあえず出してごらんなさいよ
あの歌のように…
 泣きなさい
 笑いなさい
あなたの"花"を咲かせてください
人の心に冷めていたのではないのです
傷つくのが怖くて、人の心に理屈をつくりすぎただけな

 
 




 
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