■□ 養護教諭だからこそできることの探究 □■
後藤ひとみ 愛知教育大学助教授

 養護教諭の役割は子どもたちのさまざまな健康問題に応じることで拡大してきた。健康教育もその一つであり、一層の参加とチームを組んだ教科指導や保健指導に関する実践的指導力がこれまで以上に求められている。しかし、いかに時代が変容し、役割が拡大したとしても養護教諭の職責の本質は変わらない。
 健康教育における養護教諭の力量は、「1.教師としての基礎的な能力」を基盤として、「2.個別的保健指導の能力」と「3.集団的保健指導の能力」が積み上げられ、さらに「4.教科等での指導の能力」が加わることで完成するものと考えている。このような力量の中核をなすものは個別的保健指導の能力であり、子どもとの日常的な関わりの中で一人ひとりのヘルスニーズをとらえて対応する力である。つまり、保健室を中心として個々の子どもに対応してきた実績を持つ養護教諭は、保健学習の担い手としての素養を有する存在だと言える。ここで大事なことは、今も昔も変わらない役割を軸としながら、現代のニーズに対応した役割を果たすために努力する姿勢を持っているかということである。
 保健学習について言えば、教科専門ではない(教科内容や教科書に縛られてこなかった)養護教諭だからこそできること、できたことを問い続ける姿勢である。
 最近、保健学習の評価について尋ねられる機会が増えてきた。そのときに強調していることは、「なぜ養護教諭でなければならなかったのか」「養護教諭の専門性は生かされているのか」「養護教諭の果たすべき役割は何であったのか」などといった養護教諭の視点にこだわる評価である。このような評価は「養護教諭らしさ(アイデンティティー)」の探究となり、養護教諭が一教師として子どもたちの生きる力の育成にいかに寄与したかの検証につながるものと期待している。

 
 




 
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