■□ エビは殻にも薬効のパワー □■
高橋敦子 女子栄養大学教

エビの種類
日本人の「エビ好き」は有名で、世界各国から多量に輸入されています。
エビ類には、クルマエビのような体が左右にやや平たい、泳ぐのに適した遊泳型と、イセエビのような円筒形か背腹にやや平たい体型で歩くのに便利な歩行型があります。エビ類は3000種あり、そのうち約1700種はコエビ類です。
約120種しかないクルマエビ類は漁獲対象になっているのは110種で、クルマエビ、オーストラリアタイガー、エンデバー、クマエビ、インドエビ、ブラックタイガー、メキシコエビ、シバエビ、タイショウエビ、ピンクスポッテッド、バナナエビ、ナイジェリアピンクなどです。
クルマエビにはじまった養殖も、世界各地で多くの種類を対象に行われるようになりました。しかし、寿命は1年で、成長がはやいことが条件です。アジア各国においては、ブラックタイガーの養殖の成功には目を見張るものがあります。コエビは一般に体長5cm前後で大きくても10cmです。
タラバエビ類は甘味があるのが特徴で、殻と肉とが離れやすく刺し身を好む日本人の嗜好に合っています。ボタンエビ、トヤマエビ、ホッカイエビ、アマエビ、モロトゲアカエビは刺し身で、テナガエビ、スジエビ、ヒゲナガエビは殻付きエビで唐揚げなどに、サクラエビ、シラエビ、ザコエビは素干し、煮干しにします。
 
エビの成分と働き
成分は、エビの肉の部分はたん白質と水分が多く含まれ、一方、脂肪や糖質は少なく、クルマエビで93kcal、アマエビで76kcalです。エビ類には独特の甘味があります。グリシン、アラニン、プロリン、セリンなど甘味をもつ遊離アミノ酸が多く含まれることによるものです。とくにグリシンは1500mgを超えます。しかし、5月ごろから減少しはじめ、6?9月には半減します。アルギニンはそれとはまったく逆の変化をたどります。そこでバランスよくいつもアミノ酸量を保ちます。
うま味に関与しているペタインは種類も量も多く含みます。とくにグリシンペタインは重要な窒素化合物成分で、なかでもペタインは血中コレステロール値の上昇を抑え、糖の吸収を阻害する力があります。糖尿病や高脂血症の予防に役立ちます。
また、タウリンも多く、エビに含まれるコレステロールの影響を緩和する働きがあります。タウリンは高血圧が原因となる血管障害を予防します。このほか肝臓機能を高めます。そのため解毒作用を強化したり、コレステロールが原因となる胆石の予防に働きかけます。
殻に含まれるキチン質(不溶性食物繊維)には、抗がん作用や老化を抑え、腸内環境を正常化させ、自然治癒力や免疫力を活性化させる作用があります。
エビをゆでると赤くなります。これは殻と身にカロチノイド系色素のアスタキサンチンが含まれるからです。これにたん白質と結合していたものが加熱により、アスタキサンチンが遊離し、アスタシンに変化するためです。アスタキサンチンは「自然界で最強の抗酸化物質」であるため、発がん抑制に役立つとされています。
殻ごと食べるサクラエビ、テナガエビ(川エビ)はカルシウム(素干し2000mg)がとれるので、骨粗しょう症によいのです。
エビは、アレルゲンのひとつです。1998〜99年に全国の2689病院にアンケート調査をしました(回収率6割)。その結果は、卵が419件、牛乳276件、小麦147件、そば82件、エビ51件、ピーナツ34件、大豆28件でした。エビのアレルギー体質の人は、殻を触っただけでかゆみがでること、生の鮮度がよいものでもかゆみがでたりします。とくに背わたは、アレルギー反応を起こしやすいのです。

エビの選び方
選び方ですが、もちろんエビは生きたものが一番ですが、一般に値段が高く使えません。そこで氷蔵や冷凍ものが手ごろで売られています。有頭、無頭やむき身エビなどいろいろな形で商品化されています。エビは鮮度が比較的低下しやすく、腐敗が早いので、注意が必要です。頭がぐらついたり、尾、頭、胴などが黒ずんだりしているもの、異臭のするものは鮮度がおちています。冷凍商品でも胴が黒いものは選ばないようにします。冷凍品は解凍したら再凍結しないことです。


 
 




 
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