■□ ブロッコリーは栄養の宝庫 □■
高橋敦子 女子栄養大学教
地中海沿岸生まれのキャベツの一変種で、緑花椰菜(みどりはなやさい)ともいわれ、つぼみの集まった花蕾と花茎を食べるキャベツの仲間の原型で、カリフラワーはこれから発達したものとされています。古くから南ヨーロッパで利用されていましたが、20世紀に入ってアメリカで急速に作られました。明治時代に日本に入ってきましたが、食卓にのぼるのは遅く1970年代から消費が増え始め1980年代後半で急増しました。これは、緑黄色野菜の機能的効果が見直されるようになったのをきっかけに食卓によくのぼるようになったのです。
栄養成分と働き
ブロッコリー1株は約300gで可食部は150gです。100g中の成分はエネルギー33kcal、たん白質4.3g、脂質0.5g、カロテン810μg、ビタミンB1
0.14mg、B2 0.2mg、葉酸210μgとB群が多くビタミンCは120mg、ビタミンE2.5mg、鉄1.0mgと多く含み、加えて食物繊維4.4gと栄養の宝庫といいたいほどのすぐれた食品です。
茎ブロッコリーはグリーンアスパラガスのように茎が15?20cmにのびたき裂に小さな花蕾がついたブロッコリーです。茎が軟らかく、皮をむかないで、さっと火を通して全部食べられます。栄養量は同じです。
このほかにフィトケミカルといって微量栄養素が香りや色などの成分として力を発揮しています。これらの成分は一度体内に入ると抗酸化作用をはじめとするさまざまな有効作用をもたらしてくれるのです。なかでも生活習慣病予防に役立つものは少なくありません。
ビタミンCはコラーゲンの生成を促し肌を健康に保ち免疫力を高めます。また、抗酸化作用があり、生活習慣病やがんを予防します。
カロテノイドは赤、橙、黄色などの色を作り出す色素で、カロテンは自然界に約600種以上あります。体内に吸収されるのは10数種で広く知られているのは色の濃い野菜に含まれるβ?カロテンです。これは、体内に入ると一部はビタミンAに変わり働きますが、全体的には抗酸化物質で、がん細胞の生成を抑制し、老化防止の働きをします。また、ブロッコリーには「ルテイン」が含まれ、これもカロテンの1種で優れた抗酸化作用をもっています。
イソチオシアナートは、アブラナ科の野菜に含まれる香りの成分で、アメリカでこの辛味成分の働きが明らかになり、ブロッコリーに含まれるイソチオシアナートの中の「スルフォラファン」には、発がん性物質を解毒しようとする酵素の力を活性化することがわかり、がん抑制効果の期待が高まっています。
また、「スルフォラファン」には、胃潰瘍や胃がんの原因となるヘリコパクター・ピロリ菌を消滅させる働きがあるといわれています。
インドールは植物中に広く存在し、その生命活動を支えるインドールはアミノ酸によって作られる物質です。なかでも「インドール酢酸」には発がん性物質を排せつする作用があり、ブロッコリーにも豊富に含まれています。
人気の新顔スプラウト
青果売り場でなじみの存在のスプラウトは英語で植物の種子や豆を発芽させた新芽の総称です。モヤシやカイワレ菜も広い意味でスプラウト商品化されています。現在、スプラウトとして売られている、ブロッコリー、レッドキャベツ、マスタードなどアブラナ科の野菜の新芽がサラダや冷ややっこのトッピングなど、おもに生で食べられています。
ブロッコリーのスプラウトには、前に述べたようにがん抑制効果のある「スルフォラファン」が多く含まれることが、アメリカでの研究で明らかになって、消費が拡大しました。これは、健康志向に加え、カイワレほど辛味がなく、子どもやお年寄りにも食べやすいからです。
名古屋大学大学院大澤俊彦教授(食品機能化学)は「スルフォラファンの活性が最もさかんになるのは発芽3日目ごろのブロッコリースプラウト。品種によって違いはありますが、スプラウト約15gで通常の成熟したブロッコリー1株(200g)と同程度の働きが期待できる」と述べています。
生食が主流ですが、すまし汁やみそ汁の具に、スパゲティやうどん、そばのトッピングなどに加熱調理しても「スルフォラファン」の効果はなくならないので、いろいろ利用するとよいでしょう。
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